2023年11月17日に山城21世紀塾が数年ぶりの対面形式で開催されました。
山城21世紀塾とは、活躍中の同窓生を講師として招聘し、在校生に講演を提供する同窓会事業です。
過去の講演はこちらで紹介しているので是非ご覧ください。
36回目となる今年度は、大学教員および研究者として第一線で活動している佐藤隆彦氏(56回卒)が「溢れかえる情報との付き合い方 — 価値観形成に失敗しない為に —」というテーマで講演されました。


学術研究における不正防止の取り組みや成果発信における事前審査プロセス等を紹介することで、高校生にとって最も身近なソーシャルメディアにより発信される情報がどれほど信憑性に欠けるかを示すことで、誤った方向へ価値観が形成されないようにとアドバイスされていました。
講演後は、在校生より謝辞と花束が贈られました。


以下は、佐藤氏による会報への寄稿を引用しています。
この度、母校の1年生を対象とした講演の機会を頂戴しました。過去にご登壇された諸先輩方と比べて私は余りに若輩であり、突然のメールで依頼を受けた際は、まさに青天の霹靂でした。日頃より大学生や大学院生を指導しており、若者の感性をある程度理解している自負は有るものの、話題の選択には時間を要しました。
多様性が許容されるようになった昨今、その裏返しとして、特に若年層では他者への関心が希薄になっています。また、悪さをした若者を叱責してくれる年長者も減りました。このような環境で社会規範から逸脱しない価値観を養う為には、自身を取り巻く情報と適切に付き合うことが肝要です。内容としては、「嘘の情報に騙されるな」といった凡庸なものでしたが、私が専門とする科学研究と対比することで、若者を取り巻く情報がどれほど信憑性に欠けるか理解して貰えたと思います。
聴講態度は申し分無く、講演後には謝辞まで頂きました。近年、入試偏差値が上がっているとは聞き及んでおりましたが、優秀な生徒が揃っているなと実感しました。ご聴講下さった皆さんの、今後の活躍を期待しております。